2026年3月、三重県伊賀市・青山高原周辺。
前日のES関東Cメンバー寺嶋選手のミドル優勝は序章だったのだろうか。
神村学園高等部伊賀校グラウンドを発着点に、2025年度 日本学生オリエンテーリング選手権大会 リレー競技部門 が開かれた。そして、現地でリレー観戦した者、またWebで応援した者、皆、歴史が動いた証人になった。
男子選手権クラス。
栄えある優勝トロフィーを掲げたのは——
東京理科大学。
それは、
1984年の第7回インカレでレジェンド宇佐美選手がクラシック準優勝して以降、40年以上にわたり届かなかったリレー「初優勝」
そしてその中心に立っていたのが、
ES関東クラブメンバー・堀井 聡一朗(2走)
ES関東クラブメンバー・中村 涼太(アンカー)
この2人だった。

下馬評は決して高くなかった——それでも、理科大には「芯」があった
前年のインカレリレーでは、東京理科大は、トップから20分差ついた12位。入賞の影すら見えなかった。
そして、今年。上位校が当たり前のように受け取るGPSトラッキング用ベストすら配られなかった東京理科大。
だが、内側から見ていた者は知っていた。
このチームには、確かな地力がある。
- 2走には、前日ミドルでシード選手となったエース・堀井聡一朗
- アンカーには、AsJYOC日本代表、スプリント準優勝の実績を持つ1年生・中村涼太
派手さはない。
だが、襷をつなげば、必ず前へ進む布陣だった。
舞台はリレーらしさ全開の青山高原——“競り合いを制する者が勝つ”コース
青山高原リレーコースは、常に周囲の選手の気配を感じながら走る、まさに「リレーのためのコース」。
- ルートチョイスが勝敗を分ける中〜長めのレッグ
- 競り合いの中で精度を保てるかが問われる尾根走り
- ハイリスク・ハイリターンな高速レッグ
チームとしての準備、そして“勝ちたい気持ち”がなければ、最後には立てない。
そんなテレイン、コースが選手を待ち受けていた。
(栄光への序章)1走:耐えた6分——すべては、ここから始まった
1走・光山選手。トップ名古屋大学から6分遅れの11位でのタッチ。
だが、理科大は焦らない。
いや、むしろこれは想定通なんだ!
なぜなら——
次に待っているのは、エース・堀井聡一朗だからだ。
(インカレにその名を刻め)2走:堀井聡一朗、エースの名にふさわしい“破壊力”
光山からタッチし、いよいよESメンバーで不動のエース、堀井聡一朗が走り出す。
▶ 第一中間
筑波大学がトップに躍り出る中、理科大との差はまだ5分30秒。
▶ 第二中間
追走パックが形成される中、堀井は冷静に、しかし確実に差を削る。
差は一気に2分30秒へ。ESメンバーの心拍が10上がった
▶ 第三中間
筑波を追う集団は、秒差の大混戦。
名古屋、東北、そして——理科大。
そしてフィニッシュ。
堀井は3位で中村に襷、そしてなにより優勝目指してきた熱い想いをつなぐ。
トップとの差は、わずか1分7秒。前は、見えている。
ESメンバーの心拍数も、さらに10上がった。
堀井はこの48分20秒。
見事区間1位。千両役者たる走りを最後の4年にかました。
間違いなく、この優勝への最大の布石だった。

(金髪の咆哮)3走:中村涼太、“1年生アンカー”が歴史を変えた
アンカーは、中村涼太。
高校時代から全国で戦い、AsJYOC日本代表として世界を見てきた1年生。
▶ 第一中間
筑波・及川がトップ。中村は3位、差は3分。ジリジリとした時間が過ぎる。
▶ 第二中間——運命が動いた
及川にミスが出たらしい。
トップは東大。
そして——
わずか5秒差。
中村涼太、
理科大が“優勝を争う位置”に並んだ瞬間だった。
この瞬間、ESメンバーの心拍は、乳酸閾値心拍を超えていた。
最後は、脚と覚悟——そしてESの誇り
レース終盤での高速の尾根走り。
競り合いの中での精度。
そして、最後に問われる“脚”。
高校時代は陸上部。
最後まで競れば、分がある。だれもがそう思っていた。

会場に最初に姿を現したのは——
東京理科大学・中村涼太。
最終ラジコンからの会場裏を回るコントロール 2つのパートを4分9秒で駆け抜けた。
この部分で東大に53秒つける魂のスパートが炸裂
この部分のタイムは選手権全ランナー中最速だ。
仲間とともにウイニングラン。
ゴールテープの向こうには、誰も見たことのなかった景色が待っていた。
そして、ESメンバーの心拍は、最大心拍数を軽々超えていった。

東京理科大学、初優勝!
古豪としての誇りを胸に、長い低迷期を越え、OC一体の活動で力を取り戻し、
そして今年——
ES関東Cメンバーを中心に、ついに辿り着いた頂きだった。

ES関東Cは、この瞬間を誇りに思う
堀井聡一朗選手
中村涼太選手
2人の走りは、
東京理科大学の歴史を変え、インカレリレーの物語を書き換えた。
ES関東クラブは、
この勝利を、この襷を、この熱狂を、
心から誇りに思います。
東京理科大学、インカレリレー初優勝、本当におめでとう。